このような質問に、皆さんはどのように回答しますか？
「自分、自分の部下、同僚、上司は、仕事においてその人が本来持っているパフォーマンスの何パーセントを発揮しているか？」

おそらく100％出し切っていると言い切れる人はいないのではないでしょうか？

ちなみに大塚商会が調査したこのような結果があります。
“ビジネスパーソンが年間で探し物に費やす時間は150時間”

つまり私たちは1年のうち1か月程度を何かを探す事に浪費しているという事になります。
机の中にしまった書類
せっかく時間をかけて作ったエクセルのデータファイル
どこかに置き忘れたボールペン
突然必要になった以前頂戴した名刺
会社のポータルサイトのどこかにある申請書
など、振り返ればリアルとweb上とで日常的に何かを探している機会は多いのではないでしょうか。

また、マイクロソフト社が調査した結果で以下のようなものもあります。
“人の集中力が持続する時間は8秒”

目の前の資料作成に集中しなくてはいけない状況でも、ついつい今朝の通勤電車で出くわした変な人のことを思い出したり。
会議中に、あたかも会議に参加しているようにしているが、頭の中では全く違う事を考えていたり。
誰かとの会話においても、相手の話しが耳に入ってこず、この後の上司への報告で頭がいっぱいになっていたり。

これらの注意の欠落は、やっかいな事に更なる思考の連鎖を生み出し、なかなか今この瞬間に戻って来なかったりします。
そして、大半の人が、この思考が逸れて過去や未来へと彷徨い始めている事に気付かないのです。

なぜ、そうなのか？

実は人の思考は1日のうちの半分の時間で、意識的な活動をしていないのです。
これを、脳科学的には「デフォルト・モード・ネットワーク」（以下：DMN）と言います。

つまり、元々の人間の仕組として、目の前の事に集中しようとしても、その注意力は逸れるように出来ているということです。

ただ、注意しなくてはいけないのが、前述したマイクロソフト社の調査の話しには続きがあるのです。
人の集中力は8秒という調査結果は2015年に同社が調査した結果です。
実は、同じ調査を2000年に行った際には12秒という結果が出ているのです。

なんと、僅か15年の間に、私たちの集中力は3分の2にまで落ち込んだという事です。

この間にいったい何があったのか？

その答えのひとつがストレスです。

人間関係、満員電車、業績プレッシャー、マルチタスク、やられ感満載の仕事、世に溢れるネガティブな情報など、
私たちは日常的に多くのストレス要因に晒されています。

とりわけ、インターネットの情報量が多くの影響を与えていると言えます。
2000年：62億ギガバイト
2014年：4.4兆ギガバイト
2020年：44兆ギガバイト（予測値）
世界のネット内に溢れる情報量は、爆発的に増加して行っており、この流れが変わる事は99％ないでしょう。

では、私たちはDMNと外的環境の影響を受け続け、本来持っていたはずの集中力を失い続けるしかないのでしょうか？
もっと、目の前のジョブに対して集中力を持って臨み、生産性を高めていく事は出来ないのでしょうか？

その、流れにあらがう手段が「マインドフルネス」なのです。
マインドフルネスとは“今この瞬間に意識を向ける心の在り方”です。

そして、マインドフルネスな状態を作り出すために有効なトレーニングが、マインドフルネス瞑想です。
瞑想が！？
と、思われるでしょうが、心理学や脳科学のアカデミックな文献でも、科学的根拠をもってその効果は証明されて来ているのと、Google、Facebook、ゴールドマンサックス、Yahooなど名だたる企業がマインドフルネスを、デフォルトの人材育成メソッドとして導入してます。
さらには、多くのトップアスリートたちも、本番でのパフォーマンスを高めるためにマインドフルネス瞑想を実践しています。

つまり、今この瞬間に集中することはビジネスの世界においても、明確なスキルなのです。

集中力以外にも、創造性、自己効力感、他者への思いやり、感謝する気持ち、逆境から立ち直る力、内観する力など、多くのベネフィットをもたらしてくれます。

今回は、ビジネスの文脈でマインドフルネスの有効性と必要性についてレポートさせて頂きましたが、
マインドフルネスとは、本来的には「幸せに生きるためのツール」です。
マインドフルネスの真骨頂は、心のレンズの曇りを取り除くことにあり、今まで自分の思い込みという知覚のフィルターを
通して見ていた世界観を変化させることなのです。
つまらないと思っている仕事
嫌な奴だと思っているあの人
たいして良い事ないと思っている人生
本当にそうなのでしょうか？。もしかしたら心のレンズの曇りが取れた時に、本当のその意義が見えて来るのかも知れませんね。

了

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