課題設定力

その課題設定は、本当に最適な解を導き出しますか?

リフレーミングとQFTで課題設定力を高める

VUCAと言われる現代において、近未来の明確な答えすら見出すのは極めて困難な状態と言えるでしょう。

様々な技術や仕組が日々変化しており、今日出来なかったことが明日出来るようになったりと、当たり前や常識の基準が益々曖昧さを増すと共に、情報の陳腐化が速まっています。

そのような混沌としたビジネスシーンで、マーケットから永続的に求められる会社として存続して行くために、今最も求められているのは良質な「問」を立てる力ではないでしょうか?

そうです。どのような「問」から思考するのかで行きつく答えは大きく変わるのです。

例えばこのような問題が起こったとします。 ※ハーバードビジネスレビュー2018年2月号より引用

あなたはオフィスビルの所有者で、テナント企業からエレベーターが古くてスピードが遅く待ち時間が長いと苦情を受けている。

このようなケースで、どのような解決策を出しますか?

殆どの人は即座に解決策がいくつか出て来るでしょう。

・エレベーターを最新のタイプに替える

・モーターをより強力なものに交換する

・エレベーターの台数を増設する

このように、この問題の根本は「エレベーターの速度」であり、当然そこに焦点をあてた解決策が提示されるでしょう。

ところが、ここで採用された解決策は実にセンセーショナルなものでした。

それは「エレベーターの横に鏡を設置する」だったのです。

人は思わず見入るものがあると、時間が経過するのを忘れがちになる。この場合の見入るものは「自分」なのです。

鏡というソリューションは実に興味深い。これはテナントから出た苦情の解決策ではないのです。

鏡を設置してもエレベーターの速度は速くならない、その代わりにエレベーター待ちしている人の時間の速度を変えるという手段なのです。

ここで留意して頂きたいのが、当初のエレベーターの速度に焦点をあてたことが間違っていたわけではありません。当然新しいエレベーターを設置すれば万事OKだったでしょう。

この場合の重要なポイントは、解決すべきより良い問題がないかと探る事なのです。

私たちはよく問題の裏返しを「問」として立てがちです。

売上が伸び悩んでいる⇒売上を上げるためにはどうしたら良いのか?

離職率が高い⇒人が辞めないようにするにはどうすれば良いのか?

当然そこに至るまでの各工程を定量評価し、問題がどこに内在しているかを瞬時に判断出来るからこそ打ち手のスピードも上がる訳ですが、問題の裏返しを「問」としている間は、瞬間的に持ち直す事はあっても、本当の意味で良くなることは少ないのです。

「問」を立てる力は高められる

そこで、私たちが提案したい課題設定のソリューションは、「問」を立てる力を高めることを目的としたQFT(Question Formulation Technique)ワークショップです。

問題の焦点を提示し、拡散思考でそれについての「問」を出しまくる。ブレインストーミングならぬQストーミングです。

この際に重要になるスキルが「リフレーミング」です。

リフレーミングとは、ある枠組みで捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指します。

自慢話をする人⇒成功体験が多い人

売上を上げる⇒顧客満足を上げる

失敗した⇒上手く行かない方法を学んだ

などと、既知の情報や常識の枠に囚われずに思考の枠を広げていく技術です。

拡散した後は収束のフェーズです。ここで、数多く提示された「問」に対して変換(オープンクエスチョンをクローズドクエスチョンにしたり、又はその逆)を行い、その「問」に潜む前提だったり思い込みを抽出し、出来る限りフラットな「問」へと調整して行きます。

そして、最終段階の優先順位付けで、どの「問」が最適解を導き出してくれるのか検討します。

ここから先は打ち手の検討となります。

QFTワークショップの流れ

このようなプロセスを経て「問」を立てる力は飛躍的に向上し、焦点のズレた「問」を起点とした不毛な議論に時間を割く事を回避するだけでなく、貴社の戦略をより最適な解へと導いてくれるでしょう。

今や答えを見つける術はどこにでもあります。スマホ、PC、スマートスピーカーと問いかければどんな答えも即座に返してくる、そんな便利なモノが溢れる世の中になりました。

しかし、この便利な代物ですら適切な「問」を発しないと、最適な答えは出してくれません。

あの最も多彩な美術家と呼ばれたパブロ・ピカソは生前このような言葉を残しました。

「コンピューターなんて役に立たない。だって、答を出すだけなんだから。」

画像の引用:Wikipedia


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