健康経営というものが、俄かに盛り上がりを見せておりますが、皆さまの会社におかれましては如何でしょうか?

□健康経営とは・・
健康経営(けんこうけいえい)とは、従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、
その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法のこと。
その始まりは、アメリカにおいて1992年に出版された「The Healthy Company」の著者で、経営学
と心理学の専門家、ロバート・H・ローゼン(Robert H. Rosen)が提唱したことによるとされている。
引用:Wikipediaより

今回は、健康経営に関して、その必要性と導入実態を「日本の人事部・人事白書2018」のデータをもとに
レポートしたいと思います。

健康経営の目的は?

端的に申し上げると、健康経営とは働き方改革の一環であり、健康が侵される事による欠勤や出勤時パフォーマンスの低下などを回避し、生産性を上げると共に離職防止に努めて行こうをいうのもです。

そして、ここで言う健康とは体と心の健康であり、従業員の体、心が良い状態(少なくとも悪い状態ではない)でなければ
高い生産性が期待出来ないだけではなく、損失しているコストも発生しているという事です。
その一つの指標として注目されているのが、プレゼンティズムです。
プレゼンティズムとは、「出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題により、充分にパフォーマンスが上がらない状態」のことを指します。

つまり、健康な状態で発揮出来るパフォーマンスを100とした場合、何かしらの健康不安を抱えながら仕事に就いていると、その数値が低下し、低下した分の人件費が損失されるとい考え方です。
例えば、500万の年収の人が健康状態の悪化により、20%パフォーマンスが低下していたとしたら、年間100万円の損失という事になり、そんな人が100人もいたら、それだけで1億のコスト損失という事になります。

事実、アメリカではプレゼンティズムの影響で、年間1,500億ドル(約15兆円)の損失が出ていると言われています。

では、日本における健康経営の実態はどうなっているのでしょうか。

◆健康経営の実施状況
・実施している:26.7%
・あまり実施していない:35.1%
・全く実施していない:25.5%
・これから実施する:12.6%
実施しているが約4社に1社なので、まだまだ浸透には程遠のが実態ですが、全く実施してないのも4社に1社なので、意識はあるがそこまで手が回らないというのが本音でしょうか?

◆健康経営を実施する目的 ※複数回答可
・生産性向上:79.6%
・従業員満足度の向上:77.8%
・従業員採用・定着:58.3%
・医療費などの経費削減:46.3%
やはり多いのが生産性向上であることからも、プレゼンティズムが認知し始めている事が伺えます。

◆健康経営の取り組み内容
・人間ドック・がん検診の受診率向上と、それらの受診補助
・研修などを通じた、健康リテラシーの向上
・禁煙キャンペーン実施
・健康に関する情報の定期配信
他、多種多様な取り組みが実施されています。

逆に、健康経営に取り組まない背景には何があるのでしょうか?

◆健康経営に取り組まない理由
・対応する人材がいない
・経営層が健康経営への関心が薄い(喫煙者や運動嫌いが多い)
・目先の必要性を感じない
・日々の業務に忙殺され、そこまで手が回らない
ベネフィットが測りずらい上に、短期的に効果が出るものではないので、優先順位としては低い印象ですね。

如何でしょうか?
現時点では、健康経営に取り組んでいる企業がマイノリティであり、さらに実施する上でのハードルも高い事が
上記結果から見えて来ると思います。
しかし、一方でプレゼンティズムが示すように、健康でなければ十分なパフォーマンスが発揮できず、損失コストが発生
しているのも事実です。
結局、どう理解しアクションするかしないかは、各社、各人に委ねられているのですが、国としても今後、力を入れていく事は間違い
ありません。
経済産業省では、健康経営優良法人認定制度などの設置をしたり、アワードを実施したりと、健康経営を
推進する立場を明確にとっています。
参考:経済産業省

ビジネスパーソンはプロ

プロと呼ばれる人たちは、本番に向けての準備を怠りません。
本番で最高のパフォーマンスが発揮出来るように、心技体の磨き込みを日々実践しているのです。
もし、この人たちが準備なんてしなくても、「本番で結果を出しゃいいんだよ!」と考えていたらどうでしょう。
練習も準備もせず、体調管理すらしていなければパフォーマンスを発揮するどころではなく、プロとしても
短命で終わる可能性が大きくなります。
そういう意味で言うと、ビジネスパーソンもプロです。
そしてビジネスパーソンの本番は、日々の仕事における全てのシーンです。
その、本番で高いパフォーマンスを発揮するために「体と心が健康で在る事」はMUSTであり、そのために
不断の準備(フィジカル、マインド、スキル)をするのがプロとしての自覚でしょう。

そして、増え続ける医療費という社会課題に対して、私たちに出来る事は何か?。
「お医者さんやお薬のお世話にならないよう自己管理する」ではないでしょうか。

それらを実現するための、環境整備や情報提供、機会創出が企業に求められているのかも知れません。

正直、体と心の健康管理って、本気でやるとなるとキツイですよね。
出来る事から・・
最初はスモールステップが大事ですね。

出典及び参考文献
日本の人事部・人事白書2018
Wikipedia
経済産業省

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