ダイバーシティと言えば、まず最初に思い浮かぶのが女性の活躍推進ではないでしょうか。
それ以外にも、外国人材や障がい者、高齢者の活用などがあげられます。
言わずもがな、働き方改革の一環として推進されている取り組みです。

今回は、ダイバーシティにおける取り組みや、成果計測を「日本の人事部・人事白書2018」のデータをもとに
紹介すると共に、真のダイバーシティ・インクルージョン=働き方改革とは何か?をレポートします。

◆女性活躍推進

多くの企業が取り組みを進めている女性活躍推進は成果が出ているのでしょうか?
Q1:女性活躍推進の向けた取り組みの成果
・上げている 8.9%
・どちらかと言えば上げている 36.6%
・どちらかと言えば上げていない 15.4%
・上げていない 11.9%
・わからない 8.1%
・不明 19.0%
成果の基準は以下となってます。

Q2:成功基準は? ※複数回答可
・結婚、出産後も働き続ける女性が増えた 69.3%
・女性管理職比率が増えた 52.0%
・従業員に占める女性比率が増えた 50.7
・女性従業員のモチベーションが高まった 32.9%
上位は以上のような基準ですが、実際に日本における、いわゆる「M字カーブ」も以下のような変化が見られる事から
長く活躍する女性従業員は確実に増えていると言えます。

図1

出典:日経新聞電子版

世界的に見ても、日本女性の就業率は劣っている訳ではないが、管理職の比率が低いと言えるでしょう。

図2

出典:労働政策研究・研修機構

一方で、成果が上がっていない企業は、何故そのようなジャッジをしているのでしょうか。
Q3:女性活躍推進の成果が上がっていない企業の判断基準
・昇進に意欲的な女性従業員が増えていない 60.7%
・女性従業員のモチベーションが上がってない、若しくは下がった 56.3%
・女性管理職が増えていない、若しくは減った 53.3%
抜擢任用で女性管理職を増やす事は、キッカケとしては有効かもしれないが、長期ビジョンで見た時に、後続する
女性従業員たちが、本当に管理職を目指したくなるかが本質的な女性活躍推進かもしれませんね。

◆外国人材活用

次に外国人材の活用状況を見て行きたいと思います。
Q4:外国人材の雇用状況
・活用している 60.9%
・現在は雇用していないが、今後雇用する 9.9%
・雇用する予定はない 17.6%
・わからない 11.5%
思いのほか、外国人材の活用が進んでいる事が伺えます。
では、どのような意図で外国人材を雇用しているのでしょうか。

Q5:外国人材を雇用する理由
・日本人、外国人の区別なく採用している 55.4%
・多様な視点を持つ人材を求めている 41.4%
・優秀な人材を獲得するため 41.1%
・日本人が採用できず人手不足のため 25.4%
前向きな理由で採用している企業が多いですね。
むしろ女性活躍推進よりも進んでいる感じすらしますが、世界基準で見ると以下のようになります。

図3

出典:法務省入国管理局データより作成

◆まとめ

という事で、様々なデータから現状のダイバーシティについて考察しましたが、そもそも何故、今この取り組みなのでしょうか?
女性が活躍し、女性役職者が増えていくとどうなるのでしょうか?
外国人材の活用が進むとどうなるのでしょうか?
その答えは会社によって異なるものだと思います。
そのビジョンを明確に持ち、上層部のみならず現場メンバーまでもが理解してこそ、本当に女性や外国人材が活躍出来る土壌
が、主体的に整備されるのではないかと思います。
そして、女性(子育てママさんなど)や外国人材などの異なるバックグラウンドを持った人たちの、制約や制限を理解して活躍してもらうだけではなく、いわゆるダイバーシティ推進からは外れている既存メンバー
の多様性を引き出す事も大切だと思います。実は彼ら(彼女ら)は、皆同じに見えて全く違う唯一無二の存在なのです。

一見すると同じバックグラウンド持ち、価値観や信念が近いと思われがちな既存メンバーの多様性を引き出し、相互理解を深めることで、違いを認め合い共感し、違いから学べる風土醸成をする事こそが、真のダイバーシティ・インクルージョンなのではないでしょうか。

データ引用及び出典元
統計データ:「日本の人事部・人事白書2018」より
図1:日経新聞電子版より
図2:労働政策研究・研修機構より
図3:法務省入国管理局データより作成

真のダイバーシティを進めるなら
「組織の関係性の質を高める研修」
http://changeplus.co.jp/learningmethod/communication/

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