新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

今回は、「組織の心理的安全性を生み出すために必要なこと」の続編です。
本レポートでは、組織の心理的安全性を醸成するために、上位職(マネージャーやGM、部課長)に
必要な要素にフォーカスをしてお伝えします。

前編はこちら⇒ 組織の心理的安全性を高める方法

◆振り返り

前回は、高いパフォーマンスを発揮する組織には、組織の心理的安全性が必要であるという
レポートをしました。

組織の心理的安全性とは、Google実施したプロジェクト・アリストテレスによって導き出された
、高いパフォーマンスを発揮する組織に必要な要素であり、働く人たちが不安や恐れが優位とな
らずに、自分らしくいられる場所であるという事でした。

また、それによって組織の集団知の向上、関わる人との相互補完、チャレンジングな組織風土など
、多くのメリットが享受される事も示唆しました。

では、どのようにしたら組織に心理的安全性を醸成する事が出来るのでしょうか。。
今回は、その事についてレポートします。

結論から申し上げますと、以下の3つが組織の心理的安全性を醸成するために必要です。
1:リーダーの優しさと感謝
2:多様性
3:Purpose

◆リーダーの優しさと感謝

まず、心理的安全性を醸成するためには上位職(役職者)が、優しさと感謝の気持ちを持つ事が
大切です。

以下の自己診断をしてみて下さい。

~心理的安全性醸成度チェック~
1:□部下よりも偉いと思っている
2:□自分のやり方に部下が従わないとイラっとする
3:□失敗は歓迎できない
4:□ついつい部下の悪いところばかり見えてしまい、指摘せずにはいられない
5:□自分の失敗を部下に謝る事が出来ない

もし、一つでも当てはまったなら、あなたの職場では少々危険な空気が流れているかもしれません。
部下はあなたに忖度をし、本音を語っていない可能性があります。

リーダーが醸し出す空気感は、自分が考えるよりもより多くの影響をチームに与えます。
つまり、部下はリーダーの一挙手一投足をつぶさに観察しいるのです。

その厳しさは、自分を思っているからこその厳しさなのか・・。
それとも、自己の威厳を保つ事や、保身から来ている厳しさなのか・・。
目指すものが明確で一貫性があるのか・・。
単に会社の言いなりになっているだけなのか・・

ちなみに、上記のチェック項目は、何を意味しているのか?
1:上司は、役割を与えられているだけであって、人間的社会的に偉い訳ではありません。
2:上司のやり方が絶対解ではありません。むしろ既に陳腐化しているかも・・
3:振り返って下さい。自分自身も失敗から多くの事を学んだことを。
4:ネガティブな指摘が多くなると、人は指摘されない事を目的に行動し始めます。
5:相手は自分の写し鏡である。

上から抑え込むだけでは人は動きません。優しさと感謝の気持ちが土台にあるからこそ、
厳しい言葉も部下の心に届きます。

◆多様性

組織の心理的安全性を最も阻害するのは、チーム内でやり取りされる批判的、否定的、排他的な
コミュニケーションです。
人は、自分の考えと異なる考えを持っている他者に対して、時に寛容さを見失い、時に攻撃的にさえ
なってしまいます。

そもそも、組織では価値観や考え方の異なる人たちが混在しています。
それは、人不足が益々進んで行く現在のビジネス環境において、さらに進んで行くでしょう。
だからこそ、異質から学ぶ姿勢が重要なのです。

異なる意見やアイデアに批判的、否定的になるのではなく、「もしかしたら、それもありかも」と、
一旦受け入れてみて、フラットな目線で自分の意見と比較してみることで、自分一人では及ばない
領域にまで知見が広がる可能性があります。

◆Purpose

Purpose(パーパス)とは、目的の事です。

「あなたに何が見えるかは、何を探しているかに依存する」という言葉があります。
つまり、何を探している=何を目的としているかによって、その過程で見えるものは異なって来るという事です。

私たち、ビジネスパーソンが最優先しなければならないものは何でしょうか?
目標、売上、利益などの会社の指標でしょうか?それとも、昇進、報酬、評価などの自分の
ベネフィットでしょうか?株主、投資家、上司、仲間などのステークホルダーでしょうか?

目標達成を目的としていたら、時に不正が起こります。
昇進を目的としていたら、足の引っ張り合いが起こります。
株主の評価を目的としていたら、成長機会を損ねる事もあります。

では、何を優先すればよいのか?

答は、皆さんお分りだと思いますがお客さまです。
顧客価値を拡大することが、会社の成長にも自分自身の成長にも株主の評価にも繋がります。
そこに、チームメンバー全員がコミットし、当事者意識を持っているからこそ対話や議論が建設的
になり、健全な対立が生まれます。本気だからこそ、発言し、行動し、思考するのです。
これなしに、組織の心理的安全性のみを追及すれば、単なる仲良しクラブになってしまうでしょう。

今回のレポートを要約すると。。
上位職が、優しさと感謝の気持ちをもってメンバーと接し、異質から学ぶ姿勢であること。
そして、本気で目指す目的があり、それをメンバーに自分の言葉で語れること。

以上、2回に渡り長文となりましたが、最後までお読み頂きありがとうございます。

最後になりますが、皆さま、言霊(ことだま)実験をご存知でしょうか?
卵やトマトなどを対象に、一方にはポジティブな言葉を毎日言い続け、一方にはネガティブな言葉
を言い続けて、その変化の違いを観察するものなのですが、ポジティブ対象は、日数が経過しても
みずみずしい状態を保ち、ネガティブ対象は数日でカビが生えたり腐ってしまったりするそうです。
※本当かどうかわかりませんが・・(笑)

でも、これって人に対して行ったらどうなるんでしょうか??
毎日、ポジティブな声掛けを部下にするのと、毎日、ネガティブな声掛けを部下にするのと。。

もし、自分が気付かないうちに、そんな声掛けをしていたとしたらゾッとしますよね。

心理的安全性を醸成するための組織開発プログラムはこちら

心理的安全性を醸成するためのリーダーシッププログラムはこちら

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