最近、俄かにビジネスシーンで注目されつつあるEQ(Emotional Intelligence Quotient:以下EQ)
EQとは感情的知性のことで、IQ(知能指数)とは対極にあります。

そのEQですが、これからのリーダーシップには欠かせない要素だと言われてます。

そもそもEQが注目されるキッカケとなったのが、2016年1月開催のダボス会議での、2020年ビジネスパーソンに必要なスキルTOP10の中で、第6位に入った事です。(前回は圏外)
ちなみに、ランキングは下表です。

それ以前にも、元ハーバード大学教授であるダニエル・ゴールマンが、著書「EQリーダーシップ」で、これからのリーダーにはIQよりも、EQが必要であると説いたり、最近ではHBR(ハーバードビジネスレビュー)が、EIシリーズ(※EQ=EI)と題して、シリーズで3冊(幸福学、共感力、マインドフルネス)発売したりと、徐々に盛り上がりを見せています。

では、EQとは具体的にどのようなスキルなのでしょうか。
前述した、ダニエル・ゴールマン著の「EQリーダーシップ」より引用しながら解説致します。

まず、EQは4領域に分類され、その中で関連するコンピテンシーが提示されています。
1:自己認識
自分自身がどのような価値観を持ち、特定の刺激に対してどの程度の感情の起伏があるのか。
また、強みとその限界を客観的に把握し、健全な自信と自己効力感を持つ事。

2:自己管理
感情のコントロールが可能で、人としての誠実さや正直さ、透明性がある事。
変化する外的環境に対応出来る柔軟性や、内発的動機に自らアプローチし達成意欲を高めたり、機会に対しては一歩踏み出す力。

3:社会認識
他社の視点に立つ事が出来、相手の感情の機微を感じる事が出来る。
部下や顧客のニーズ、ウォンツを認識し対応出来る。利他的である。

4:人間関係の管理
求心力の在るビジョンを掲げ、モチベーションを与えながら、フィードバックと指導を通じて他者の才能を育てる。
常に新しい視点を持ち、チャレンジに向けて統率する力と、意見の相違に感情論や思い込みでない解決策を導ける力。

つまり、自分がどのような人間なのかを認識し、かつコントロール可能であること。
他者の視点に立ち、相手の感情を察知する事ができ、内発的モチベーションを喚起する事が出来る。

振り返れば、私が数々見てきたハイパフォーマーの人たちも、戦略が優れているとか、営業力が高いとかよりも、まず周囲を惹きつけてやまない人間力を持ち合わせていました。
それは、その人たちの中には一貫して相手の感情を大切にする、という柱があったからに他ならなかったのです。

だから部下たちは、苦境が訪れても踏ん張る事ができ、そんな時こそ何とも言えない一体感が醸成されるのでしょう。

皆さんの周囲にいる優れたリーダーはどうでしょうか?

そして、多くの人がEQは「持って生まれた天賦の才」だ、と言います。
もちろん、これまで歩んできた人生がぴったり一致するなんて事は無いので、過去の経験や教育によって育まれたEQは、人によって大きな差異があるのも事実でしょう。

しかし、EQは伸ばす事が出来るのです。
自己認識を高め、他者理解を深め、自分自身をコントロール出来るようになり、相手の感情の機微を感じ取る力を伸ばす事は可能なのです。

大量生産、大量消費があたり前の、高度成長期に求められた同一性重視の管理型マネジメントの時代は終わりました。
これからは、一人ひとりの価値観や感情にフォーカスすると共に、個々の違いを受容、共感できるリーダーシップが求められるのではないでしょうか。

◆EQ関連のトレーニングプログラムのご紹介
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
EQリーダーシップ開発プログラム
◆理屈や理論だけではない、メンバーの感情にアプローチするためのリーダーシップ開発
EQリーダーシップ開発
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【導入版】マインドフルネスワークショップ
◆EQの礎を築くための「人らしさ」に立ち戻るためのワークショップ
マインドフルネスワークショップ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

参考文献:EQリーダーシップ 日本経済新聞出版社

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。